2019年7月~12月までに読んだ本の中で、☆3以上のおすすめ本をご紹介します。
今期は比較的多く読んだので、2回に分けていきます。今日は第2回目。
第一回はこちら。

今回は☆3の本です。
もともと自分の備忘のために読書メーターに投稿していたものを、一部編集してお届けします。
★★★☆☆(星3つ)
県庁おもてなし課/有川浩
高知県庁おもてなし課に配属された掛水は高知のPRに奔走する。まずは高知出身の著名人に大使をお願いするが…この大使に任命した内の一人、作家の吉門が曲者。
しかし読んでいる側からすると、序盤の吉門の「ここがヘンだよお役所さん」の指摘が痛快。
おもてなし課の仕事の様子は面白かったが恋愛パートがベタベタしていて全体の足を引っ張っている感じが否めない。
Learn Better/アーリック・ボーザー
学習の方法とその効果についてまとめている。
・学習は少し難しいところから始める。
・グーグルのように、自分に問いかける検索練習。
・なぜ学習するのかを常に考える。
・自分に問いかけ、人に説明する。自分に説明することで理解の度合いを確かめる。
やはり夢中になれる研究やテーマがないとこのステップを踏むのは難しいなと。蛍光ペンでラインを引くのは無意味だそうです。ですよね。(実体験)
大事なことほど小声でささやく/森沢明夫
身長2メートル超えの巨漢、ゴンママが経営するひばりスナックとそこに集まるジム仲間のストーリー。
好きなエピソードは冴えないサラリーマン、ケラさんが娘の進路を応援することに決める出来事と、ゴンママとカオリちゃんの出会いのシーン。阿吽。私もゴンママのウインク受けたい。
キラキラ共和国/小川糸
前回記事で星4で紹介した「ツバキ文具店」の続編。
ポッポちゃんが結婚し、ミツローさんとQPちゃんと家族になっていくまでが描かれる。
前作に比べるとドラマ性が薄いと感じたが、しみじみと良い作品だった。鎌倉にちょっと詳しくなれる。QPちゃんがひたすら可愛い。
さらなる続編がありそう。
つるかめ助産院/小川糸
失踪した夫を探してたどり着いた南の島で出会う助産院の先生とスタッフたちとの暮らしを描く物語。
食べ物は島で収穫したものを。海を始めとする自然と共存する、動物としての根っこにあるものを描いている。描写がとてもキレイで情景が浮かんでくる。私なんて文明に浸かりすぎてるからこんな生活もしてみたい。
主人公の自出が寂しいのだけど、つるかめ助産院には訳ありの人も多い。
ところが、オチが唐突で納得いかなかったので勿体ない。説明もなにもないまま物語が畳まれていくのが雑に感じてしまったので星3です。
悪果/黒川博行
マル暴担刑事の堀内がヤクザ絡みの賭博に突入する。それが始まりでこの賭博を取り巻く事件が明らかになっていく。
ヤクザと記者と理事長、点と点が線になっていく様子が読み応えあり。
伊達ちゃん(と思わず呼んでしまう)と堀内のコンビがナイス。その後どうなったのか気になってしまう最後。堀内は刑事なのにワルすぎる!
疫病神シリーズにも登場する島之内の医者が登場するのにニヤリとさせられる。同じ世界線なんですかね。桑原や二宮、中川と遭ってくれないかな~とか。
繚乱/黒川博行
警察をやめた堀内はかつての相棒伊達と再び競売屋としてタッグを組む。パチンコ店ニューパルテノンの調査を進めていくとヤクザから過去の殺人事件に行きつく。
例によってワルとクズのオンパレード。登場人物が多すぎてこんがらかる。
大金が手に入る珍しいパターンだったがこのオチ。やっぱりか!と思わずにいられない。
黒川先生は鬼ですわ。
ちょっと今から仕事やめてくる/北川恵海
仕事がつらくて死にそうになっていた主人公の青山をヤマモトと名乗る男が救う。同級生だというヤマモトだがその正体は一体?
最後に部長に啖呵を切る主人公だが…この会社の社長はなにやってんの?
部長や五十嵐先輩がそうなってしまう理由がわからず、社蓄ネタとしての現実感と主人公の敵というフィクション感の間で納得がいかないようなもやっと感が残る。
鴨川食堂まんぷく/柏井壽
鴨川食堂は依頼者の思い出の食を探して再現する探偵事務所。
流の温かい人柄とこいしの溌剌(はつらつ)さのコントラストが良い。
こいしの物言いにお客さんが気を悪くするのではないかとちょっとドキドキする。笑
過去に犯した罪を後悔している男性の焼きおにぎりの話が好き。京都弁がまたいいですね。
まる子だった/さくらももこ
つまらないことになった。いや、つまらないで出てくればいいのに。そんな腹痛の恐怖。
昔読んだときには何も思わなかった親の離婚話は、今読むと子供という立場でも一生懸命考えているまる子が健気で泣ける。
あとがきのユザワヤに買い物に行くエピソードは大人になってもまる子そのものって感じで好き。
あのころ/さくらももこ
よく子供時代のことをこんなに鮮明に書けるものだと感心する。
目覚まし時計に「出資」したヒロシ。家庭訪問に振り回される母を尻目に「先生トシのわりに老けてんなぁ」という感想しかないヒロシ。父ヒロシのキャラが大好き。
「手塩にかけて育ててもらえる姉が羨ましかった」同じく次女の私には共感しかない一文である。
たいのおかしら/さくらももこ
怠け者であるが故に母親に泣かれる「怠け者の日々」
テスト結果をぼっとん便所に隠蔽する「答案の始末」では【はまじ】が高評価、好印象。
焼きいも屋になる「ひろ子の揉め事」
読むための気合いなど持ち合わせていなくても大丈夫。一行読めばあっという間にももこワールドに染まれる世界観の構築はさすが。
うっかり外で読んでいると笑いをこらえるのに苦労する。
知らないと恥をかく世界の大問題10/池上彰
何者/朝井リョウ
マチネの終わりに/平野啓一郎
良く言えば洒落た、悪く言えば気取った文章で、読むのに時間がかかった。天才ギタリストの蒔野とジャーナリスト洋子の恋。互いに心を通わせながらも上手くいかず、歯痒い!
途中から物語が急展開。「彼女」に嫌悪感を抱かずにはいられない…
自分が主役の映画を作るなら…というくだりがあるが、私が主役の映画なら1週間で打ちきり待ったなしや。
結末は、良かったと思うのか、どうなったの?と思うのかで好みが分かれそう。
パラレルワールド・ラブストーリー/東野圭吾
まとめ
自分でチョイスすると作家やジャンルが偏ってしまいがちなので、人から勧められた本を積極的に読むようにしています。
年齢や性別、好きな作家さんによって全然異なる世界観なので読んでいて楽しいです。
職場で読書クラブを勝手に作ってやっているのですが、本の貸し借りは楽しいですし、話の種にもなります。
下半期は話題作も読みつつ、久しぶりの作品を再読したり、たくさん読むことができて大満足でした。
次回はまた半年後。
前回・2019年下半期その1

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