きょうは年金についてお話します。
フリーランスの人や払っていない人に聞いていただきたいお話です。
フリーランスの年金制度を解説
自営業・フリーランスは国民年金の第1号被保険者
現在この国の年金制度には被保険者の種類が3種類あります。
第1号被保険者…日本国内に居住する20歳以上60歳未満の者で第2、第3号被保険者でない者
第2号被保険者…社会保険適用事業所に勤務する者(要件あり・ここでは省略します)
第3号被保険者…第2号被保険者の被扶養配偶者
簡単にまとめますと、
第1号 → 自営業、フリーランス
第2号 → サラリーマン、公務員
第3号 → 2号の収入なしor扶養範囲内の夫または妻
となります。
保険料の支払いについて
2号は会社のお給料から勝手に天引きされます。
3号は保険料を払わなくていいので心配無用です。
1号のみ、自分で保険料を支払わなくてはなりません。
保険料の納付書は市から届きます。コンビニ支払いOKです。
クレジットカード払いもできるので、ポイントを貯めるのも良し、です。
年金保険料額は16,900円×保険料改定率(毎月)
年金保険料額(以下保険料額)は毎年上がり続けて、平成29年にようやく引き上げが終了しました。
現在は月々 16,900円×保険料改定率 となっています。
ちなみに平成30年度の保険料改定率は0.966で
実際の支払い保険料額は16,340円となっております。
…高い。
10年前は14,000円台だったのに、この間に3,000円近くの値上げは暴利ですね。
保険料の前納をすればちょっと安くなります。
機会があれば後日書きます。
余談
ちなみに第3号被保険者はこの保険料、0円なんです。
0円だけど、将来の給付額が保険料を払い続けてきた第1号被保険者と同じ。
もともとは、サラリーマン妻が将来無年金になってしまうことからこの第3号被保険者の制度が始まりました。
サラリーマンである第2号被保険者が配偶者の分の保険料も払っているという立て付けです。
一方、第1号被保険者の妻は3号にはなれないので、1号として別途保険料を払わなくてはならない。
夫婦で月に30,000円を超える保険料を払うことになります。
将来の給付は満額納めても夫婦で160万円に満たない額です。
サラリーマンは給料にもよりますが、保険料の自己負担額は2~4万円。
これで配偶者の分の保険料も支払ったことになる。
将来の給付は1号の夫婦を優に超えます。
障害年金や遺族年金においても、第2号被保険者が圧倒的に保証が手厚いです。
サラリーマンを社畜と罵るのは簡単ですが、このような扱いの差にも目を向ける必要があるでしょう。
将来の給付額
最初の項にも書きました通り、第1号被保険者の被保険者期間は20歳~60歳の40年間です。
40年間免除も減額措置も受けずに保険料を払い続けた場合は、
780,900円×改定率(改定率は毎年変動)
で計算された年金が2か月ごとに支給されます。
この40年間の間に未納期間や免除、減額を受けた期間があればその分減額されて支給となります。
年金見込額試算-日本年金機構
最低10年は払っていること(免除期間含む)
少し前までは25年以上の年金支払期間(猶予免除含む)が必要だったのですが、
昨年から10年と軽減されました。
10年払った場合の年金額は780,900円の4分の1です…
払いたくないという人へ
前項で、保険料高いくせに給付額少ない!と思われた方。
将来貰えないかもしれないのに、毎月高い保険料を払いたくないという方。
お気持ち、よーくわかります。
ですが、保険料は払いましょう。
政府も悪質な滞納者への財産差し押さえなど、本格的に滞納者対策に乗り出しています。
後で書きますが、払っていれば助けになることもあり得ます。
ない袖は振れない場合は、保険料免除の手続きを取りましょう。
同じ保険料を払わないでも、免除者と未納者は異なる、ということを知っておいてください。
保険料免除の要件
50歳未満納付猶予について
20歳から50歳未満の方で、本人・配偶者の前年所得(1月から6月までに申請される場合は前々年所得)が一定額以下の場合には、ご本人から申請書を提出いただき、申請後に承認されると保険料の納付が猶予されます。これを納付猶予制度といいます。
私もこの納付猶予の前身、若年者納付猶予を受けたことがあります。
親(世帯主)の収入は関係なく受けることができますよ。
結婚していて配偶者に収入があるときは適用されません。
手続きは、市役所の年金課に電話をして、失業して収入が無いので猶予を受けたい旨を伝えました。
後日、申請書類が送られてきて必要事項を書いて送り返すと、承認書類が届きます。
そこには猶予される期間が書かれています。
ちなみにこの猶予期間は将来の年金額には反映されないので注意してください。
老齢だけではない!障害基礎年金について
保険料、払ってほしいです。払えないなら、猶予や免除の手続きを取っていただきたい。
なぜここまで言うのかというと、
年金制度には老齢年金のほかに、障害年金と遺族年金もあります。
遺族基礎年金はもらえる範囲が狭いのであまりあてに出来ませんが、
障害年金は障害状態である限り一生支給されるものです。
仕事柄、年金の相談を受けることがありまして、ある日以下のような相談がありました。
糖尿病で足が壊死してしまい、切断して歩けなくなってしまった。
本人は来られないのでご家族が相談に来るんです。
本来なら障害年金が支給されるのですが、未納期間が多く、支給要件を満たさない。
がっくり肩を落として帰られる家族を見るのはつらいです。
同じような人を何人も見ました。障害年金は遡って払って貰えるものではありません。
病気の心配はないから、大丈夫。健康だし、まだ若いから問題ない。
そう思っていても、事故に遭う可能性だってあります。
年金保険は老齢年金だけではありません。
経済的な事情で払えない場合は、市役所に相談して免除の手続きを取るようにしてくださいね。
ではっ
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