年次有給休暇発生要件について/アルバイトでも貰える?取得義務化とは?

雑記のネタも尽きてきたので、笑

今日は専門の労働分野について書きたいと思います。

今回は質問が多い有給休暇についてまとめていきます。

 

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年次有給休暇の発生要件

使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

労働基準法 第三十九条

 

勤務継続年数により、以下の通りの付与日数となります。

6年6ヶ月以降は毎年20労働日で固定です。

6ヶ月 1年6ヶ月 2年6ヶ月 3年6ヶ月 4年6ヶ月 5年6ヶ月 6年6ヶ月
10日 11日 12日 14日 16日 18日 20日

 

ここで言う「労働者」は、正社員だけではなく、有期契約社員や

フルタイム勤務ではないパート・アルバイトも含まれます

ただし、付与日数は所定労働時間の長短により異なります。

(パートアルバイトの有給についての項目で詳しく記載します)

 

休職していた人はどうなるの?

病気などで長期お仕事をお休みしていた場合、

8割出勤の要件を満たさない場合が出てきますよね。

その場合は、年次有給休暇を付与しなくていいです。

 

たとえば、1年働いていた人が半年間の休職をした。

有給付与日数は下のようになります。

6ヶ月 1年6ヶ月(休職のため8割出勤の要件を満たさず) 2年6か月
10日 付与なし 12日

2年6ヶ月の時点で12日の付与となります。

11日ではないので注意しましょう。

 

ただし、業務上の疾病・ケガ(労災)で休職する場合や、

産前産後休業、育児・介護休業、使用者の都合による休業の期間は

出勤したものとみなします。

 

取得の手続き

取得の手続きは会社ごとに決定します。

就業規則に取得の手続き方法を定めておくのが良いでしょう。

「取得をする場合は3日前までに所定の様式で使用者に届出ることとする」など。

パート、アルバイトの有給は?

アルバイトだと、「うちは有給ないから!」という店長の言葉を信じてしまいがち。

学生のアルバイトでも勤務継続をしていれば有給は発生します。

 

週の所定労働時間が30時間未満の場合は、以下の表の日数の有給休暇が与えられます。

区分 6ヶ月 1年6ヶ月 2年6ヶ月 3年6ヶ月 4年6ヶ月 5年6ヶ月 6年6ヶ月
7 8 9 10 12 13 15
5 6 6 8 9 10 11
3 4 4 5 6 6 7
1 2 2 2 3

1…週の所定労働日数が4日または1年間の所定労働日数が169日から216日

2…週の所定労働日数が3日または1年間の所定労働日数が121日から168日

3…週の所定労働日数が2日または1年間の所定労働日数が73日から120日

4…週の所定労働日数が1日または1年間の所定労働日数が48日から72日

 

発生日から2年で有給休暇は消滅する

有給休暇は発生した日から2年で消滅します。

 

有給の買い取りについて

消化できなかった有給休暇を買取りしてくれる会社もあります。

ここで注意しなければならないのは、まだ有効期限内の有給休暇の買取りはしてはいけない

ということです。

本来有給休暇は、労働者に労働から解放されてリフレッシュをする日を与えるという目的があります。

これを金銭で解決してしまうのは、有給休暇の本来の目的を損なうという観点からです。

 

退職する時に、消化しきれなかった有給を買取ることは可能です。

買取らなくても違法にはなりません。

消化順位に注意

消化順位は、有給が発生した

・古いほうから消化する

・新しいほうから消化する

の2種類ですが、どちらでもOKです。

メジャーなのは古いほうから消化です。

後々もめないためにも、消化順位は就業規則にあらかじめ定めておくことが賢明です。

 

有給休暇取得義務化

2019(平成31)年4月から、有給休暇の取得義務が発動します。

有給を取得していない従業員に対して、事業主が時季を指定して有給を取らせる方策です。

年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、年次有給休暇の日数のうち年
5日については、使用者が時季を指定して取得させることが必要となりました。

厚生労働省HPより

 

パートやアルバイトは適用される?

パート、アルバイトでも有給を10日以上付与される者は対象となります。

有給の付与日数一覧は上の表をご覧ください。

会社の規模により条件は異なる?

中小企業は免除されないのか?というご質問をいただくのですが、

これはすべての会社に義務付けられています。

 

年次有給休暇中の賃金はこちらをご覧ください↓

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有給休暇/私見

有給休暇義務化なんて、国が音頭を取らないとやれないというのが日本クオリティーだと感じます。

本来は企業単位でやるべきなのでしょうが、中小企業はそうするまで人員を確保することが困難です。

制度だけ作って人手不足に対する政策が後回しになっているのは、なんとも…腹立たしいですね。

 

または「有給取りにくいな…みんな取ってないし」というアレ。

労働者が思い込んでいるだけで、えいっと取ってしまえば意外と問題ないのかも。

そうするためには仕事を自分だけで抱え込まない、日ごろから他の労働者との間で情報共有をするということが重要になってくると思います。

有給についてはまだまだ制度と事例があるので、追って紹介していきます。

 

ではっ