こんにちは!
今日は前回に続き、年次有給休暇の賃金を中心に書いていきます。
また、時間単位年休や取得拒否についても書いていきますね。
前回の記事はこちらから

有給休暇中の賃金について
有給を取得した日の賃金は以下の3つのいずれかです。
労働者の方:どれが採用されているかは、就業規則をチェックしてみましょう。
使用者の方:就業規則に定めるようにしましょう。
通常支払われる賃金
これが一番採用されている会社が多いです。
月給制の方でしたら、給与計算をする場合も特別な処理が必要ないので
事務処理も簡素です。
日によって所定労働時間が異なるパート・アルバイトの人はどうなるのか。
こちらも、所定労働時間を労働したものとして賃金計算を行います。
例えば以下のような所定労働時間のパートさんだとします。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
6 | 6 | 5 | 6 | 4 |
月曜日に有休を取った場合は、6時間分の賃金を
金曜日に有休を取った場合は、4時間分の賃金を 支払います。
平均賃金
平均賃金を支給することもできます。
計算は以下のように行います。
直近3か月分の賃金総額(※1)÷ 総歴日数(※2) ※1…通勤手当をはじめとする各種手当、時間外手当を含みます。 ※2…例えば1~3月の場合、(31日+28日+31日)=90日 となります。 |
この計算式を採用した場合、所定労働時間が短いアルバイトの人は不当に賃金が低くなってしまう可能性があります。
そういったケースを防ぐため、以下の最低保障が定められています。
いずれか高いほうの額が平均賃金として採用されます。
直近3か月の賃金の総額 ÷ 直近3か月の労働日数 ×60% |
標準報酬日額
健康保険法の標準報酬月額を利用した計算方法です。
以下のように算定します。
標準報酬月額 ÷ 30
ただし、こちらを採用する場合には労使協定の締結が必要です。
採用している会社は少ないとみられており、
私も出会ったことがありません。
時間単位の年次有給休暇とは
有給休暇は時間単位で与えることができます。
採用する場合は労使協定の締結が必要です。
採用する場合でも、時間単位で与えることができる有給は最大5日までの制限があります。
こちらの時間単位年休は有給休暇の計画的付与をする場合や、
前回の取得義務の有給に使用することはできません。
あくまでも労働者側に選択権があるというように考えてください。
こちらを採用した場合には、残りの時間単位年休を管理する必要が出てきます。
有給休暇の申請は拒否できる?
労働者から有給休暇の取得の申出があった場合、原則として使用者はこれを拒否することができません。
しかし「明日から海外旅行に行ってくるので2週間休みます!」
なんて言われたら、代替要員を確保しなくてはいけないし会社側も困ってしまいますよね。
そういった場合は、事業の正常な運営を妨げる場合として、「時季変更権」を行使できます。
時季変更権と時季指定権
労働者が申出た有給休暇の時季を、使用者が変更することができることを
時季変更権 といいます。
これは分別なしに有給の申出を拒否していいものではなく、拒否するだけの根拠が必要となります。
「有給休暇を取得する場合には、前もって届出をする」というような内容を就業規則に定めることを勧めています。
ここでの「前もって」は1か月~3日前までが妥当なラインです。
その他にインフルエンザにかかってしまった、子供が熱を出した、など
突発的な事情で有休を使用する場合もあると思います。
会社側は柔軟に対応することが求められます。
有給休暇は会社がその取得する日を指定することができます。
これを「時季指定権」といいます。
有給休暇の計画的付与や2019年度から始まる有給休暇取得義務化にあたり、
労働者が持つ有給休暇の5日間については使用者側が指定して与えることとなります。
ただし有給休暇を5日以上、自主的に取得済みの労働者に関しては
取得日の指定をしなくてもよいです。
この義務化にあたり、事業主側も対応を求められます。
たとえば業務閑散期に「有給休暇取得奨励月間」として有休を消化してもらうことを推進するなど、してもよいでしょう。
労働関係法令については今後も書いていく予定です♪
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